カッピング練習の5日目は、コロンビア UGQ と グアテマラ EPW の比較です。
どちらも中南米のアラビカ種・水洗式という共通点を持つため、おそらく今回が一番難しい組み合わせだと思います。
時間の経過とともにどんな変化があるかを意識し、細かく記録しながら進めていきました。
今日のカッピング豆
今回は、届いた検体キットの③と④、コロンビアとグアテマラの比較です。
並べて比べれば違いを感じられるものの、どちらか片方だけを出されたら迷ってしまうレベル。
ブラインドで判別するときに間違えやすい筆頭が、WIB・APとコロンビア・グアテマラ。
今回はその点を意識しながら、丁寧に観察していきました。
コロンビア UGQ(アラビカ種/水洗式)

スクリーンサイズでグレードを決定(エクセルソ スプレモ、エクセルソ UGQ)
カトゥーラ、コロンビア、カスティージョなどがメイン品種。
生産者団体がしっかりしており、生産者のクオリティが高いのが特徴。
ハンドピック、かつ水洗式がメインのため欠点豆も混ざりにくい。
教本に記載されている特徴:甘い香りとしっかりとした酸味とコク、重厚な風味
☕ グアテマラ EPW(アラビカ種/水洗式)

標高によりグレードを決定(SHB、HB、EPW)
ブルボン、カトゥーラ、カトゥアイなどがメイン品種。
ハンドピックでの収穫がメインで水洗式が多いことから、欠点豆が少ない。そのため、格付け基準は標高のみ。
教本に記載されている特徴:甘い香りとすっきりした酸味、爽やかな後味
カッピング記録
粉の見た目と香り

【粉の見た目と香り】
正直、ほとんど見分けがつきません。
強いて言えば、グアテマラの方がわずかに香りが強く感じましたが、香りの傾向そのものは非常に似ており、粉の段階では判別が難しいと感じました。
クラスト(ブレイク時)の香り

前回の記録にも書いた通り、コロンビア(右)はお湯を注いでから4分後には粉が沈んで表面に浮く粉の層が薄くなる傾向があります。一方、グアテマラ(左)はブラジルやエチオピアと似ていて、しっかりと粉の層が表面を覆い黒っぽいです。
そのため、ブレイク時の香りはグアテマラの方が強く感じられ、コロンビアは香りが立ちにくく、やや控えめな印象でした。
グアテマラは、コーヒーらしいアロマの中に力強い土のような香りが感じられ、水洗式らしい香りがします。
テイスティング記録
☕ コロンビア UGQ

7分半後:
明るくきれいな酸味が濃く感じられるのが印象的。非常にクリーンで、澄んだ酸が味の主役。
10分半後:
ほぼ同じ印象。わずかに舌の側面に渋みを感じるが、全体は酸味が際立ち透明感がある。
14分後:
舌の側面に感じるのは、渋みというよりは深みかも?
それを感じる印象に変化すると、酸がやや丸みを帯びて、華やかさが増す。
19分後:
温度が下がっても、最後まで酸味がしっかりと主役のままである。終始クリーンで、酸味が心地よく感じられる状態が続く。
☕ グアテマラ EPW

8分半後:
クリーンで明るい酸が感じられるが、コロンビアよりやや柔らかい印象。ほのかに香ばしさも。
12分後:
酸味がやや落ち着き、代わりに心地よい苦みが顔を出す。香ばしさも感じられ、全体のバランスが整ってきた印象。
15分後:
12分後と同様の印象を保ちながら、さらに香ばしさと酸味のバランスが安定。
酸味もあるため重すぎず、コロンビアとブラジルの中間のような感じ。
20分後:
やや低めの温度になると、より酸味が柔らかくなる。苦味と香ばしさの調和が取れた状態で冷めても穏やかで飲みやすい。
今日の気づき・学びメモ
- コロンビアは粉が沈むのが早く、この比較でもクラストの見た目で判別できた。
→グアテマラの方が粉の層が表面に残り、ブレイク時の香りがしっかり立つ。 - テイスティングでは、どちらも明るい酸を持ちながらも「酸の性格」に差がある。
→ コロンビアは最後までシャープでクリーン、グアテマラは柔らかく香ばしい酸へと徐々に変化。 - ブラインドでは最も混同しやすい組み合わせ。
→ クラストの段階からしっかり観察し、テイスティングでは「酸の立ち方」と「香りの輪郭」を意識する。
まとめ

今回のカッピングは、これまでで一番「集中力」を使った回でした。
どちらもクリーンな水洗式・アラビカ種だからこそ、違いを見つけるにはわずかな香りや酸のニュアンスを丁寧に拾う必要があります。
比べてみると確かに違うのに、単体で出されたら迷ってしまうほど繊細。
この微妙な差を掴めるようになれば、より自信を持って判断できるようになると思います。
今回、改めて「観察を積み重ねることの大切さ」も実感したので、次回からのブラインド練習では、これまでの記録を自分の感覚として定着させていきたいと思います。