カッピング練習の4日目は、ブラジル Type2 と コロンビア UGQ の比較です。
どちらも中南米の代表的な産地ですが、非水洗式のブラジルと水洗式のコロンビアでは風味の方向性に明確な違いがあります。まずは、この2種類の違いをしっかり感覚として把握しておこうと思います。
今日のカッピング豆
2日目にブラジルとグアテマラの比較カッピングをしましたが、今回はブラジルとコロンビアです。
ブラジル Type2(アラビカ種/非水洗式)

スクリーンサイズと欠点数でグレードを決定(Type2、Type4/5)
ムンドノーボ、カトゥアイ、イカトゥなどがメイン品種。
他の中南米の産地に比べて標高が低い。機械での収穫、直接しごき落とす収穫が多い。
教本に記載されている特徴:甘みを伴った、柔らかな苦味と適度な酸味
☕ コロンビア UGQ(アラビカ種/水洗式)

スクリーンサイズでグレードを決定(エクセルソ スプレモ、エクセルソ UGQ)
カトゥーラ、コロンビア、カスティージョなどがメイン品種。
生産者団体がしっかりしており、生産者のクオリティが高いのが特徴。
ハンドピック、かつ水洗式がメインのため欠点豆も混ざりにくい。
教本に記載されている特徴:甘い香りとしっかりとした酸味とコク、重厚な風味
カッピング記録
粉の見た目と香り

粉を挽いた瞬間から、ブラジルとコロンビアの違いははっきりと感じられました。
【粉の見た目】
コロンビア(左)は水洗式特有のチャフ(明るい色の薄皮)が多く混ざっており、
非水洗式のブラジル(右)と比べると明るい印象。
写真だと、コロンビアに少し影が入ってしまって暗い色になっていますが、実物は、粉全体の色もブラジルの方がやや黒っぽい濃いトーンだと感じます。
【粉の香り】
香りの違いは、あまり感じることができませんでした。結構似ているかも。
クラスト(ブレイク時)の香り

お湯を注いで4分後、すでにコロンビア(左)の粉は沈みが早く、表面に浮く粉の量に明確な違いが出ています。
結果として、ブレイク(表面の粉の層を破って、香りを感じる)ではコロンビアの香りを取りにくく、香りの立ち上がり方にも差がありました。
テイスティング記録
☕ ブラジル Type2

7分後:
酸味はかなり控えめ。ナッツのような香ばしさと、しっかりした重みと苦み。
12分後:
酸味はまだ弱く、舌の奥や側面の方に渋みを伴う苦みを感じる。
19分後:
温度が下がると酸味が顔を出し、舌に残る苦みと渋みが中和されるように減少していく。熱い時よりも飲みやすく感じ、美味しさが増す印象。
☕ コロンビア UGQ

8分半後:
明るくきれいな酸味。スッキリしていて、ごくわずか渋みはあるかも。苦味はほぼ感じられず。
13分半後:
酸味がよりはっきりと華開き、全体の味わいがくっきりした印象。
苦味は最後にほんのり残る程度で、非常にクリーンで心地よい爽やかさ。
20分後:
最後まで明るい酸味が主役で、苦みや渋さが少ない。とても好ましく感じられる美味しさ。
温度が高い時より、やや舌の側面に渋みを感じるようになったが、全体として明るく透明感がある。
今日の気づき・学びメモ
- コロンビアは粉が沈むのが早くクラストの見た目で判別できるが、ブレイク時の香りは感じにくい。
- ブラジルは、温度が下がるにつれて酸味が顔を出し味のバランスが整う変化が楽しめる。
- コロンビアは、終始クリーンで酸味の印象が安定している。味の輪郭が最初から最後までくっきりしている。水洗式らしいクリーンな印象も実感できた。
まとめ

今回のペア(ブラジル Type2 × コロンビア UGQ)は、わかりやすい違いを感じられたカップテストでした。
ブラジルは温度が下がるにつれて酸味が徐々に顔を出してくる変化が印象的。一方のコロンビアは、最初から明るい酸味が主役で、最後まで味の輪郭がはっきりしています。
グアテマラでも感じましたが、「アラビカ種・水洗式」は、温度による味の変化が起こりにくいのかもしれません。
いよいよ次は、グアテマラとコロンビアの比較カッピングに挑戦します。
この「中南米産アラビカ種・水洗式」同士での個性の違いが判別できるようになることは合格に近づく一歩になると思いますので、次回はより一層、集中して臨みたいと思います。

