【記録2日目】ブラジル Type2 × グアテマラ EPW の比較カッピング

カッピング練習の2日目は、ブラジル Type2 と グアテマラ EPW の比較です。
どちらも中南米の代表的な産地ですが、精選方法が異なるため、違いがはっきりと表れやすい組み合わせ。
1日目のカッピング(ブラジル × エチオピア)は非水洗式同士でしたが、この日は、粉の見た目や香り、湯を注いだ後のクラスト、さらに温度が下がるにつれて変化する味わいにも明確な違いが。
時間の経過とともにどんな変化があるかを意識し、記録しながら進めていきました。

目次

今日のカッピング豆

2回目となる今回は、届いた検体キットの①と④、ブラジルとグアテマラの比較です。

ブラジル Type2(アラビカ種/非水洗式)

スクリーンサイズと欠点数でグレードを決定(Type2、Type4/5)
ムンドノーボ、カトゥアイ、イカトゥなどがメイン品種。
他の中南米の産地に比べて標高が低い。機械での収穫、直接しごき落とす収穫が多い。
教本に記載されている特徴:甘みを伴った、柔らかな苦味と適度な酸味

☕ グアテマラ EPW(アラビカ種/水洗式)

標高によりグレードを決定(SHB、HB、EPW)
ブルボン、カトゥーラ、カトゥアイなどがメイン品種。
ハンドピックでの収穫がメインで水洗式が多いことから、欠点豆が少ない。そのため、格付け基準は標高のみ。
教本に記載されている特徴:甘い香りとすっきりした酸味、爽やかな後味

カッピング記録

粉の見た目と香り

粉を挽いた瞬間から、ブラジルとグアテマラの違いははっきりと感じられました。
【粉の見た目】
ブラジル Type2 は非水洗式らしく、センターラインが黒いことから粉全体が均一なコーヒー色(画像右)。
一方のグアテマラ EPW(画像左)は水洗式のため、白いセンターラインが混ざり、白っぽい粉の混入がはっきりわかります。こうして並べると、精選方法の違いは視覚的にも明確に現れるので試験でも粉の時点ですぐ見分けられるポイント。

粉の香り
前日のエチオピアとの比較では、どちらも非水洗式だったため香りの方向性が似ていて、違いを掴みにくいところがありました。けれど今回は、グアテマラ(水洗式)と並べたことで、ブラジルの持つ甘いチェリーのような発酵香がよりはっきりと感じ取れました。
グアテマラの香りは控えめで、全体的にクリーン。軽く抜けるような穏やかなコーヒーの香り。
対してブラジルは、どこか温かみを感じるような甘い香ばしさで、
香りを嗅いだだけでも「重さ」と「軽さ」のコントラストが伝わってきます。

クラスト(ブレイク時)の香り

お湯を注いでから──いわゆるブレイク時の香りは、粉のときとはまた違う表情を見せてくれました。

まず改めて実感したのは、香りを取るときの難しさ。
湯気そのものを吸い込んでしまうと、水蒸気で鼻の奥が満たされてしまい、香りの成分がほとんど感じられなくなります。一見シンプルな動作でも、湯気を避けて「香りだけ」を拾うというのは意外と繊細な作業で、自分でも「どこまで近づけばちょうどいいのか」を試行錯誤しながらの観察になりました。

香りの印象としては、グアテマラの方がやや土っぽい、力強い香りを感じた気がします。

また、クラストを崩してアクを掬う際、グアテマラの方が粉の浮いている量が多いことにも気づきました。
これは精選方法の違いによるものかもしれませんが、グアテマラのグレードがEPW(標高が低め)ということで、コーヒー豆の密度がやや軽いのかも?

テイスティング記録

☕ ブラジル Type2

8分後:
酸味はほとんど感じられず、ナッツのような香ばしさと舌に残るじわっとした苦み。
全体的に重めの印象で、口の中にしっかりとした厚みが残る。
12分後:
苦味の奥にかすかな酸味を感じた気がするが、この前にグアテマラをカッピングして口を濯ぐのを忘れた影響かもしれない。(濯ぎ忘れは意外と大きな影響があるかもと実感)
14分半後:
酸味が少し顔を出してきた印象。全体としてはまだ舌に重めの苦みが残る。
20分後:
温度が下がると苦みが和らぎ、明るい酸が感じられる。冷めた方が飲みやすく感じるのは昨日と同じ印象。
→時間経過で酸が柔らかく開くような感覚。この段階だとグアテマラに似ているように思うが、グアテマラよりは重い。

☕ グアテマラ EPW

9分後:
ブラジルと比べて、最初から明るくキレイな酸味が際立つ。
後味までスッと抜けるような軽さで、舌に残る苦味も控えめ。
13分半後:
引き続き酸味が中心で、バランスが良く全体的にクリーン。
16分後:
温度が下がっても酸味がしっかり残り、印象はほとんど変わらない。
ブラジルよりも味の輪郭がそのままで明確。クリーンカップを保っている。
21分後:
やや冷めても明るい酸はそのままきれいに残っていて、舌に感じる渋みと苦みのバランスが整った自分好みの味。
時間を経ても味が崩れない、安定感があるのがグアテマラなのかもと感じた。

☕ 総評メモ

時間の経過で「苦味から酸味」へ印象が変化するブラジル。
最初から明るい酸が印象的で、冷めてもクリーンなグアテマラ。

今日の気づき・学びメモ

  • カップごとの口の濯ぎ忘れで味が混ざってしまうことを実感。
    →毎回リセットを徹底することが違いをしっかり感じる上で重要。
  • まだ「スプレー状にすする」動作がうまくできていない気がする。
    → 口の中で霧状に広がるようにすすれた時とそうでない時の香りの感じ方が変わってしまいそう。引き続き、水での練習も続けたい。
  • 温度による印象の変化において、ブラジルとグアテマラの違いが想像以上に大きい。
    → ブラジルは徐々に酸が開き、グアテマラは安定してクリーンさを保って変化が小さい。

まとめ

今回のペア(ブラジル Type2 × グアテマラ EPW)は、同じ中南米でも精選方法と産地の違いによって、ここまで印象が変わるのかを実感できた良い組み合わせでした。

ブラジルは非水洗式らしい香りとナッツ系の香ばしさ、そしてじんわりと残る苦み。
一方のグアテマラは、水洗式らしい明るくクリーンな酸味が主役。
粉の段階から見た目や香りのトーンが異なり、湯を注いだあとの香り立ちや味の変化に至るまで、すべてに「性格の差」がはっきりと表れました。

また、温度の変化によって味の印象が変化していくブラジルと、冷めても安定した印象を保つグアテマラという対照的な特徴も非常に興味深い体験でした。

グアテマラとコロンビアを比べれば、水洗式同士での産地による個性の違いも見えてくるかもしれません。
ただ、もう少しカッピングに慣れるまでは、今回のように違いが分かりやすい組み合わせから練習を続けていこうと思います。

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