今日から、コーヒーインストラクター1級・実技試験に向けたカッピング練習を記録していくことにしました。
普段は飲むこと中心のわたしですが、いざ「カッピング」となるとまったく別の世界。
今回は、ブラジル Type2 と エチオピア G4 を使って初めての自宅練習をしてみました。
まだうまく味を言葉にできませんが、これから少しずつ感覚を掴んでいけたらと思います。
同じように一歩目を踏み出す方の励みになれば嬉しいです。
今日のカッピング豆
まずは届いた検体キットの①と②、アラビカ種/非水洗式です。
ブラジルとエチオピア。正直、この2種類なら普通にドリップコーヒーで飲んだなら判別に自信があるものからスタートです。
ブラジル Type2(アラビカ種/非水洗式)

スクリーンサイズと欠点数でグレードを決定(Type2、Type4/5)
ムンドノーボ、カトゥアイ、イカトゥなどがメイン品種。
他の中南米の産地に比べて標高が低い。機械での収穫、直接しごき落とす収穫が多い。
教本に記載されている特徴:甘みを伴った、柔らかな苦味と適度な酸味
☕ エチオピア G4(アラビカ種/非水洗式)

欠点数でグレードを決定(グレードG1〜G5)
ティピカ系、ブルボン系が多い(ゲイシャなどもあるし、その他原生林には無数の未確認品種も)
ブラジルなど中南米と異なり農場化されていない原生林に近い状態が多く、ハンドピックが多い。
教本に記載されている特徴:フルーティな甘い香りと柔らかな酸味とコク
カッピング記録
【粉の見た目】
ほとんど違いがわからず、どちらも似た印象。
【粉の香り】
ブラジル Type2:
ほんのりと非水洗式特有のチェリーの発酵臭を感じるが、控えめ。ナッツのような香ばしさが印象的で、全体的に柔らかく、心地よい香り。
エチオピア G4:
非水洗式らしいチェリーの発酵香がしっかりと感じられる。個人的にこの香りはとても好きで、他の豆と比べても判別しやすい。香りの違いは明確。
【クラスト(4分後)】
今回、カップ同士の距離を近づけすぎてしまい、香りの違いをうまく掴めなかった。
明日以降はもう少し距離を離して、香りを比較できるように工夫したい。
☕ ブラジル Type2(テイスティング記録)

8分後:
ナッツのような香ばしさと、舌の上にじわじわ広がる苦味。酸味や発酵感は感じられず、全体的に穏やかな印象。
10分後:
まだ大きな変化はなく、味の輪郭がぼやけている印象。
14分後:
渋みが強くなり、舌の上に重たさが残る。
20分後:
冷めてくると急に軽やかで飲みやすくなり、明るい酸味も少し感じられた。発酵感は最後までほとんどなし。
→ 冷めた状態の方がバランスが良く、グアテマラに少し近い印象に変化。
☕ エチオピア G4(テイスティング記録)

9分後:
柔らかく華やかな酸味。エチオピアらしいフルーティな明るさ。
11分半後:
酸味がよりはっきりし、苦味の残らない軽やかな口当たり。
16分後:
酸味が落ち着き、少し渋みのある重さが出てきた。ブラジルよりは軽いが、平坦な印象に。
20分後:
冷めると酸味が尖り、甘さが減少。G4グレードらしい雑味が少し顔を出した印象。
→ 冷めた状態ではややバランスが崩れ、華やかさよりも酸の強さが際立つ。
☕ 総評メモ
冷めたあとの印象では、
ブラジル: 落ち着きが増し、よりバランスの良い味わいに。
エチオピア: 冷めると個性が弱まり、苦味や渋みが目立つように。
どちらも温度によって印象が大きく変わることを実感。
「非水洗式=発酵感」という固定イメージが、実際には豆によってかなり違うことを体感できた。
今日の気づき・学びメモ
- まだ「スプレー状にすする」動作がうまくできていない気がする。
→ 口の中で霧状に広がるようにすすれると香りの感じ方が変わるので、水での練習をもう少し続けたい。 - 舌のどの部分で味を感じているのか、意識がまだ曖昧。
→ 苦味は舌の奥、酸味は舌の両脇、甘味は舌の中央…という基本を意識しながら飲むと違いが掴みやすくなりそう。 - 「後味の味わい方」にも課題を感じた。
→ 舌に残る余韻に、甘みや渋みがどう残るかをもっと丁寧に観察したい。 - 啜ったときに、香りを鼻へ通す感覚を意識できるようになってきた。
→ これができると、香りの違いをより明確に感じ取れるはず。引き続き練習を重ねたい。 - 温度による印象の変化が想像以上に大きい。
→ 特に「冷めてからの評価」を丁寧に残すことで、豆の特徴をつかみやすくなりそう。 - 同じ非水洗式でも、ブラジルとエチオピアで香りや酸味の出方がまったく違う。
→ 「ナチュラル=発酵香が強い」と単純に覚えず、品種・産地・焙煎でどう変わるかを体感で覚えていきたい。
まとめ

1日目のカッピング練習を終えて感じたのは、「香り・味・温度、すべてが繊細に変化する」ということ。
粉の段階でははっきりしていた香りが、熱湯を注ぐと全く違う印象になり、冷めるにつれてさらに表情を変えていきました。
まだスプレー状にすする動作がうまくできず、香りを鼻に抜けさせる感覚も課題。
また、舌のどこで何を感じているのか、後味の余韻をどう捉えるのか——感覚的な部分のトレーニングが今後の鍵になりそうです。
初回としては「できなかったこと」も多かったけれど、同時に、温度変化で味が劇的に変わる面白さや、産地による香りの個性の違いを実感できたことが大きな収穫でした。
次回以降は、この気づきをベースにもう少し自分の中の「味の基準」を育てていきたいと思います。