「グレード(格付け)判別」は、同じ国のコーヒーにおける品質の違いを見極める試験です。
同一産地の2種類のコーヒーを比較し、どちらがグレードの高い豆かを判断します。
どの国か当てるだけでなく、グレード(高・低)の正誤まで求められる難問です。
今回は、講習会で配布されたグアテマラ SHBとEPWの豆を使って、実際にカッピングを行い、違いを記録しました。なお、豆はできるだけ密封して保管していましたが、真空状態ではなく、講習会から半年ほど経過しているため経時劣化している可能性も高いと思います。それでも、学びの記録としてまとめておこうと思います。
グアテマラの格付けと特徴

グアテマラの格付けは、標高(栽培高度)によって決まります。
SHB(Strictly Hard Bean):1,300m以上
EPW(Extra Prime Washed):900〜1,050m程度
標高が高いほど豆の密度が高く、硬く引き締まった構造になります。
そのため、グレードが高いほど酸味が強く、味わい深い印象になりやすいのが特徴。
スクリーンの基準は設定されていないため、同じグレードでも粒の大きさには多少のバラつきがあります。
粉の状態での比較

わたしには、粉の見た目と香りの段階ではほとんど違いが感じられませんでした。
どちらもブラウン系の均一な色合いで、香りも穏やか。
粉だけで判別するのはかなり難しく、どちらが高グレードか「全くわからない」というのが正直な感想です。
クラストとブレイク

お湯を注いだあとのクラストも見た目には大きな差はなく、どちらもグアテマラらしい香りで、香ばしく軽やかでした。EPWの方が少し香りが濃いような気もしましたが、その差はごくわずか。
強いて言えば、EPWの方が液面のやや下に黒い粉が多く浮いていて、アクをすくうときに少し掬いにくい印象がありました。
テイスティング記録

グアテマラ SHB
グアテマラらしい、明るくきれいな酸味が最初に感じられ、そのあとにコーヒーらしい香ばしさとほどよい苦みが続きます。後味のキレが非常によく、全体の味がはっきりしている印象。
温度が下がっても酸の明るさが保たれており、クリーンな後味が続きます。後味の軽やかさはSHBの方が上だと感じました。
グアテマラ EPW
熱いうちはSHBとほとんど同じ印象で、酸味・香りともにまとまりがあり、キレも良いです。
ただ、温度が下がるにつれて、香りと苦みが少し長めに残る傾向が感じられました。
全体の方向性はどちらも似ていますが、強弱でいうとSHBが「強」、EPWが「弱」という印象でしょうか。
SHBの方が酸味がくっきりしていて、味の輪郭がより明確。
まさに講習会で聞いた説明どおりの特徴を、自宅の練習でも再現できたように感じました。
まとめ

今回のカッピングでは、格付けの基準である「標高(密度)の違い」が酸の透明感やキレの良さにしっかり表れているように感じられました。
粉や湯を注いだ後の香りでは判別が難しいものの、テイスティングの段階で並べて比べてみると、「酸味の明るさ」と「余韻の軽やかさ」がSHBを見分けるヒントになりそうです。
かなり明確に違いが感じられたため、なぜ本試験で間違えたのか…と思ってしまうほど。
きっと、カッピング練習を重ねることで成長できたんだろうとポジティブに考えることにします。

