「グレード(格付け)判別」は、同じ国のコーヒーにおける品質の違いを見極める試験です。
同一産地の2種類のコーヒーを比較し、どちらがグレードの高い豆かを判断します。
どの国かだけでなく、グレード(高・低)の正誤まで求められ、第21回の実技試験でグアテマラが出題されました。
わたしは国だけは正解できたものの、グレードで間違えてしまった結果に。
今回は、講習会で配布されたブラジル Type2 と Type4/5の豆を使って、実際にカッピングを行い、違いを記録しました。なお、豆はできるだけ密封して保管していましたが、真空状態ではなく、半年ほど経過しているため経時劣化している可能性は高いと思います。それでも、学びの記録としてまとめておこうと思います。
ブラジルの格付けと特徴

ブラジルの格付けは、スクリーン(粒の大きさ)と欠点数によって決まります。
Type2:300gあたり欠点4点
Type4/5:300gあたり欠点36点(Type2の約9倍)
外観の違いとしては、Type2は大粒で豆面が整っているのに対し、
Type4/5は小粒で不揃いな豆が多く、豆面にややムラがあります。
粉の状態での比較

粉にしてみると、チャフが少なく、非水洗式のブラジルらしい見た目です。
講習会の資料によると、検体はL値24で統一して焙煎されているようで、豆の段階ではサイズや欠点豆で判別しやすいものの、粉になると、色や粒感はどちらも同じような印象で、グレードによる明確な違いは感じられません。
香りを比べても、どちらもナッツや穀物のような香ばしい印象で、この段階では「どちらが高グレードか」は判断できませんでした。
クラストとブレイク

お湯を注いだ直後も、見た目ではほとんど差がありません。
香りについても、強いて言えばType2の方が香りがやや豊かで、Type4/5の方が液面に粉の浮きが多いような印象です。
ただし、この段階ではあくまで「気のせいかも?」と思うほどの微妙な差でした。
テイスティング記録

☕ ブラジル Type2
7分半ほどの温度の高い段階でも、比較すると酸味が最初に感じられ、そのあとにナッツのような香ばしさと穏やかな苦みが続きます。酸味と苦みのバランスがはっきりしていて、味の印象に「明るさ」と「立体感」があると感じました。
19分を過ぎて少し冷めてくると、ナッツの香りは落ち着き、より軽やかな酸が前に出てきます。
最後にじわっと深みのある苦みが残る印象で、酸と苦みの切り替わりがスムーズでまとまりを感じました。
☕ ブラジル Type4/5
温度の高い段階では、酸味がType2よりもやや弱く、全体的に味の広がりが少ない印象でした。
香ばしさや苦みの方向性は似ていますが、最後にわずかに渋みやえぐみを感じます。
20分ごろの冷めてきた状態だと、さらに酸が引いて苦みが主役になります。
啜ってから5秒ほど経ったあとに、舌にざらっとした重たい渋みが残り、余韻が少し濁るような印象でした。
まとめ

今回のカッピングでは、Type2とType4/5の違いをわずかながらですが、感じ取ることができました。
Type2は、酸味・苦みのバランスが取れていて、クリーンな後味の印象。
一方、Type4/5は酸が控えめで、後味に渋みや重たさが残る傾向がありました。
格付けの基準である「欠点数」の多さは、カップにも明確な差として表れるようです。
ただし、粉や香りでは判別が難しく、実際に味を比べてみないと見抜けない差だと感じました。

